2020年度 鹿児島大学水産学部 水産流通学研究室

「新しいご馳走を発見することは、新しい天体を発見するよりも人類に幸福をもたらす」 

ブリア・サヴァラン

充実した学びの場

 水産流通学研究室は、豊かな「食」を通じて人々に幸せを届けたいという理念と使命感を持ち、水産物流通業界で活躍できる人材、責任を持って地域の「食」を担う人材の養成を目的としています。

 そのために、全国でも類を見ない水産物流通に特化した専門的かつ一貫性のあるカリキュラムと現場感覚豊かな2名の教員によって、水産物流通に関する高度な専門的知識、食品産業に対する実践的で幅広いビジョンそして水産物を扱う上で必要となる倫理観の習得を目指しています。

 研究室での学びは、講義と実習そして卒論および自主的研修に分けられます。卸売市場やスーパーの仕組みを学ぶ「水産物流通論」、現代的な販売技術を学ぶ「水産マーケティング論」、主要水産物の需給状況を学ぶ「水産物需給論」、世界的な水産食料問題を学ぶ「水産食料経済論」、食品企業の行動を学ぶ「フードビジネス論」、水産加工業の実態を学ぶ「水産加工経済論」など、専門的かつ充実した科目群を体系的に学び、知識の習得に努めます。実習では漁村に入り込み、漁業生産現場を体験します。卒論は徹底した現場主義を貫き、アカデミックであるよりも現実的であることを優先します。自主的研修では全国各地で企業や産業現場を実体験し、座学では学べない現実を感覚的に身につけます。 

楽しい研究室生活

 水産流通学研究室の教員は、フードビジネスの最先端を自らの研究対象としており、日常的に日本中そして世界中の食品産業の現場を調査しています。

 研究室ではこうした最先端の情報や産業現場のリアルな現実をもとに議論を行い、また学生自らが常に食品企業や食品流通の現場に飛び込んで「現場からしか学べない」をスローガンとして調査や研修を行っています。

 卒論研究は現実の産業界を対象として行うため、全国の水産物流通業者や水産加工企業にお世話になりながら進めていきます。2019年度は、八戸の食品加工企業、長崎の産地卸売市場、関東地方の大手SMや生協、鹿児島のウナギ加工業者や水産加工企業、名古屋の消費地卸売市場、鹿児島の定置網業やベトナムのエビ養殖業などで調査を行いました。

 さらに、「フードビジネスは自分の食卓から始まる」をモットーに、時間があれば魚料理を自分たちで作り、旬の魚を味わい、水産物を扱う人間に必要な実践的感覚と味覚を磨き、同時に魚の素晴らしさを学んでいます。

 ここで魚の調理を初めて学ぶ学生も多く、腕を上げるため暇があれば魚を調理する学生もいます。先輩たちが送ってきてくれるごちそう食材も楽しみです。ゼミよりもその後で食べる魚料理に惹かれて、毎週木曜に学生が集まってきます。

教員の社会活動

 2名の教員は研究活動を通じて国や自治体、漁業関連団体や食品関連企業そして全国の生協や地域の自治組織などと常に密接に交流しており、様々な形で地域社会や国家的な水産業振興に貢献しています。たとえば水産庁養殖業成長産業化推進審議会委員、水産庁冷凍水産物需給情報検討会座長、水産庁養殖魚需給検討会委員、鹿児島海区漁業調整委員、全漁連や全海水による海外輸出促進活動の委員、鹿児島県の水産物輸出促進協議会会長、鹿児島市中央卸売市場輸出促進検証委員会会長などです。

 講演活動も活発に行っており、これまで鹿児島県はじめ、大分県、福岡県、山口県、宮城県、栃木県、青森県、東京都、兵庫県、三重県、愛媛県、長崎県などで水産物流通やその消費、魚食普及と食育、水産物の輸出と養殖経営などについての招聘公演を行いました。また2016年度にはロシアで、2017年度にはシンガポールで講演を行いました。2017年度にはノルウェー大使館主催の「シーフードセミナー」でも講演しました。当研究室は水産物流通研究で日本をリードする立場にあります。




流通研のブログ

2019年度 秋~冬

11月15日

枕崎の株式会社丸俊さまを訪問、卒論調査を行いました。「そのまま食べるかつおスライス」の開発について、お伺いしました。美味しいですよ、カツオスライス。ご協力、有り難うございました。

11月18日

垂水市にて、「まち・ひと・しごと創生総合戦略審議会」に出席。

11月19日

八幡小学校の生徒さんたちが水産学部を訪問されました。キャンパス内を案内し、水産学部について解説しました。

11月23日

テレビ東京「大漁JAPAN」の収録。江口漁協で地引き網を行い、獲れた魚を調理して食べました。サンシャイン池崎さんと番組を進行しました。サメやエイを食べましたが美味しかったです。

11月25日

水産庁で「冷凍水産物需給情報検討会」に出席し、年末の水産物需給について検討しました。

11月27日

八幡小学校において、八幡小学校、大分県の犬飼小学校そして長崎県の精道小学校の生徒さんと再会し「ウミ学プロジェクト」の総括を行いました。とても楽しいイベントでした。

11月29~30日

長崎大学水産学部にて、地域漁業学会大会に参加しました。

12月4日

水産経済学分野卒業研究中間発表会、その後打ち上げ(笑)

12月6日

KTS「かごニュー」の収録で、鹿児島市中央卸売市場にお邪魔しました。市場食堂での朝ご飯も収録いたしました。

12月13日

鹿児島海区漁業調整委員会

12月18日

垂水市において、「まち・ひと・しごと創生総合戦略審議会」に出席、夜は水産学部忘年会でした。

12月20日

水産庁にて養殖魚需給検討会に出席しました。

1月8日

全漁連において、「水産改革推進検討委員会」に出席しました。1月16日

鹿児島県「青年女性漁業者発表大会」に審査員として出席しました。

1月17日

鹿児島市中央卸売市場において「鹿児島市魚類市場輸出促進検証委員会」に委員長として出席しました。

1月20日

東京において、「養殖業成長産業化推進協議会」に出席しました。

1月25日

魚食普及サークルPESCAとして、第七回「ぶり祭PLUS」を開催しました。今年は天候が思わしくなく、雨の中お客様にもご負担をおかけいたしましたが、暖冬のおかげで寒くはなかったのが不幸中の幸いでした。たくさんのお客様においでいただき、今年も大成功でした。メンバーの皆さん、お疲れ様でした。

1月29日

千葉県柏の漁業協同組合学校において、マーケティングの講演を行いました。マーケティングは現代を生きる社会人にとって必要不可欠な知識です。

1月31日

水産学部ウナギ研究会報告会において、ウナギの加工や小売の実態に関する報告を行いました。

2月3日

鹿児島市中央卸売市場において、「鹿児島市魚類市場輸出促進検証委員会」に委員長として出席しました。

2月14日

長崎市が主催する魚食普及イベントで佐野が講演してきました。長崎市で魚食普及活動を行う女性グループや、長崎大学魚料理研究会などと交流を深めてきました。

2月17日

卒業研究発表会を行いました。今年の発表も高い水準のものが多く、我々教員も多くのことを学ぶことができました。当研究室において、学生も教員も卒論を通じて学ぶことは本当に多いです。とても達成感のある報告会でした。夜はいつも通り打ち上げ(笑)

2月20日

卒業生の杉万先輩(ニチレイフレッシュ)が毎年カニを送ってくれます。卒論も終わったタイミングなので、恒例のカニパーティを行いました。学生にとっては一生に一度のカニ三昧、カニまみれの日で、思い出深い夕食となったことでしょう。杉万さん、有り難うございました!

2月21日

水産庁にて「冷凍水産物需給情報検討会」、その後農林中金において養殖への投資に関するコンサルティングを行い、さらにその後全漁連で水産改革推進検討審議会の打ち合わせ。その後、卒業生で全漁連に勤務している正木さん、漁済連の大崎さんそして全漁連の三浦常務らと晩飯。正木は緊張しまくってました。


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